多汗症とは

多汗症とは、発汗恐怖症や発汗恐怖とも呼ばれる症状で、
人前で緊張した時に汗が必要以上に出てしまうことを言います。

汗の量には個人差もあり、明確に定義することは難しいのですが、
多汗症の場合は、気温の変化や運動とは関係なく汗をかくことが多いです。
ここが「汗かき」と異なる部分ですね。

原因として、他の病気の影響であったり、精神的なストレスからくるものがほとんどです。
ストレスの多い現代においては、多汗症で悩む人の数も増えてきています。
しかし、多汗症の社会的認知は現在でもあまり進んでいるとは言えず、
本人が病気と認識していない場合や、他人に理解されずに悩み込み、
うつ病になるなど社会的な苦痛を受ける人は少なくありません。
(難病情報センター調べ)

汗をかくということは、日常生活と密接に関係していますので、
さまざまな悩みや問題を抱えている人が多いのも事実です。
精神的苦痛を受け、仕事や勉強に悪影響を及ぼしたり、対人関係に支障をきたし、
ときに日常生活を著しく低下させてしまいます。

多汗症のメカニズムは、交感神経が失調し、
体温上昇とは関係なくエクリン腺より汗が過剰に放出される疾患です。

大きく分けて全身的に発生する全身性多汗症と、
体の特定の部分で発生する局所性多汗症(限局性多汗症)があります。
手、足、わき、股間には汗腺が比較的集中しており、発汗が最も活発な部位の一つです。
しかし、体のどんな部分でも、発生する可能性があります。

また、多汗症でわきが臭うと思われる方がいらっしゃいますが、
実際は多汗症とわきがは異なる症状です。
わきがは、アポクリン腺から出た汗が細菌などに分解されることにより臭いを発生させますが、
多汗症ではエクリン腺から汗が大量に出るのが特徴です。

治療方法として、塩化アルミニウム液の塗布、ボトックス注射、内視鏡手術などの方法がありますが、
それぞれ一長一短があり、重症度などによって方法を選択する必要性があります。

多汗症かもしれないと疑われる方は悩まずに、原因をきちんと追究してみましょう。
適切な治療を行うことで多汗症の多くは改善されます。